かつて寺山修司は「書を捨てよ町へ出よう」と言ったけど、本がスマホにその座を取って代わられた今こそ、僕らはあえてこう訴えたい。「書を持って旅に出よう」。男の旅には、相棒のような一冊が必要だ。さまざまな旅先に持っていきたい、そして読むだけで旅の気分が味わえる3選。
 

忘れかけているかもしれない日本の原風景
今こそ、東北の美しさに思いを馳せて。

東日本大震災から7年。その記憶は今もなお鮮明であると同時に、
「思いを馳せる」という意味では風化しつつあることも一つの現実。
今こそ、寡黙だが美しい、その姿を見つめ直したい。

 

岡本太郎の東北
岡本太郎 写真・文、岡本敏子・飯沢耕太郎 監修

力強く、ダイナミックな東北を知る

今なお伝説と語り継がれ、近年では再ブームにもなった巨匠によるフォト・ルポタージュ。日本文化の源流を求め東北に旅立った太郎は、男鹿・なまはげ、花巻・鹿踊り、そして恐山と、シャーマンのようにシャッターを切り続けるーー! 毎日新聞社刊

 

銀河鉄道の夜
宮沢賢治 著 清川あさみ 絵

幻想的なアートワークで、名作を現代に

岩手県出身の童話作家・宮沢賢治の名作を、ビーズや糸、布などを使ったアート作品で脚光を浴びる若手アーティストが、大人も楽しめる新感覚の絵本として甦らせた。賢治が言葉で描いた世界観を、作家・清川あさみがアートワークとして見事に表現している。リトルモア刊

 

残したいね 日本の風景
藤岡和賀夫 著、富田文雄 撮影

自然と懐かしさがこみ上げる不思議。

「絶滅のおそれのある懐かしい日本の風景」をテーマに、ふるさとを感じさせる東北6県計50ヶ所の風景を丁寧に紹介している。いわゆる観光地や名所とはひと味違う、土地そのものを体験したい人にはオススメのガイドブックと言える。宣伝会議刊

 

東北地方の原風景に触れる3冊、復興と風化が進む今こそ、
手に取り、思いを馳せてみたい。