現在、フィギュアスケートの指導者としても活躍中の織田信成さん。これからの日本のフィギュアスケート界を背負う、選手の育て方とは。

優秀な選手だけでなく、全体で盛り上げてゆく

――母校の関西大学で、アイススケート部の監督を務める織田さんですが、これからのフィギュアスケート選手の育て方について、どんな考え方をお持ちですか。

 オリンピックで金メダルを獲るのは、スポーツ選手なら誰もが憧れることだと思います。でも、金メダルを獲ることだけが、フィギュアスケートをやる目的ではないと思います。僕が教えている関西大学の選手たちにも「頑張れば、誰でもきっとメダルが獲れる」なんてことは言いません。どんなに頑張っても、メダルを獲れない人の方が圧倒的に多いのは、事実ですから。でも、その中でも頑張ろうとするかどうかが大事なんです。

――メダルに関係なく、頑張ろうと思える環境を作ってあげることが、織田さんの役目ということですね。

 メダルが獲れないならやめる、そう考える選手が多いスポーツは、当然選手の層が薄いですし、結果全体的なレベルも下がります。別に犠牲者になれと言っているわけではなく、金メダルを獲ることはあくまで結果であって、それがすべての目的ではないんです。
 むしろ、「オリンピックには行けなかったけどフィギュアスケートが大好き」という思いを持つ人たちを育てることこそが、フィギュアスケート界の土台を作る上ですごく大事なことだと思います。

 
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