「ルネサンス」や「肉筆画」など、聞いたことはあるけれど、実はよくわかっていない……そんな美術用語をわかりやすくご紹介。今回は日本美術篇。

【一木造】(いちぼくづくり)

 一本の木から仏像を彫り出す仏像彫刻の技法。頭を含む身体の中心部分を一本の材木から彫り出すが、両肩から先など足りない部分には別の木材をつぎ足す。重さを軽くしたり、ひび割れを防ぐため、像の内部をくり抜くこともある。

【肉筆画】(にくひつが)

 浮世絵版画と異なり、筆者が直筆で描いた浮世絵のこと。『見返り美人図』で知られる菱川師宣が活躍した頃は、肉筆画がその活動の中心だったが、やがて量産できる版画が人気を得た。しかし肉筆画が消えたわけではなく、浮世絵版画で有名な葛飾北斎は晩年に肉筆画をメインに描いており、多数の名作を残した。

【錦絵】(にしきえ)

 浮世絵版画の様式のひとつで、多色摺木版画のこと。錦のように美しいという意味でこの名が付いた。江戸時代に裕福な趣味人の間で絵暦交換会が流行し、その優劣を競い合った結果、技術が向上。高級品だったが、やがて版画は錦絵であることが当たり前となり、庶民も気楽に買えるようになった。

歌川広重『 不二三十六景 東海道大森縄手』
 
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