「BEST T!MES」連載30問30答、3月は宇野常寛さんを特集! 自ら企画ユニット『PLANETS』を主宰、近年はメディアでの活躍も増える中、評論家として最新作『母性のディストピア』が大ヒット中。多彩な活動を続ける彼の「素顔」に30の質問で迫ります。

大切なことは「会社っぽくしないこと」

 

 僕は1978年生まれですが、1970年代生まれって起業家コンプレックスが強い人が多いと思うんですよね。いわゆるヒルズ族と同世代だったりしますし、自分も企業経営をして一発当てたいみたいな。でも、僕はそういう憧れが全然ないんですよ。

 そもそも、起業も会社も、一つの手段じゃないですか。僕は、自分がやりたいことやるための手段としか思ってないんです。ということで、会社を経営する上で大切なことって、変な言い方ですけど「会社っぽくしないこと」ですかね。

 会社の運営にスタッフは欠かせませんが、彼らには、まずスキルを徹底的に伝えます。企画力や文章力、コピーライティングや画素材の選び方などを一通り。あとは、どういう背景でこういった企画にしたのかという説明もちゃんと伝えていますね。

 

 ウチのスタッフは、スタッフというよりも仲間だと思っていますね。というのも、僕が実現したいこととかを面白がって、一緒にやりたいという気持ちを強く持ってくれているわけですから。それくらい思ってくれていないと、ウチみたいな小さな個人事務所に来て仕事はできなんじゃないかな? だって、僕が明日交通事故で死んだら潰れてしまう会社ですからね。どれだけ本が売れて、どんだけウェブコンテンツが注目を浴びようとも、僕がいなくなったらその瞬間になくなる会社。だからこそ、「僕のチームに加われば、他の既存のメディアではできないようなことができる」と信じてくれているような子たちが集まってきてくれてると思うんですよね。

 むしろ、そういう動機がないと、この仕事は長く続かないかもしれません。この仕事って、意外に地味なんですよね。外側から見られるよりも100倍地味な世界(笑)。取材といったって、大抵の場合はこうやって机を囲んで喋っているだけ。基本的に机にかじりついてパソコンを打っているだけですし、必然性がなければ基本的に外の人と接しない。それでもやってくれるというのは、僕らが作るものに対して面白いと思ってもらえる人じゃないとやっぱり続かないですよね。FacebookやTwitterでドヤりたい人には向いてないですよ。そもそもこういう仕事は。

〈明日の質問は…… Q14.「宇野さんのように人脈を広げる方法は?」です。〉