特集「2040年のモノ」。絶対不変のモノと思われている「お金」にも新たな変化が起こっている。電子マネー、仮想通貨、ブロックチェーン……。新しい技術が用いられることによって、「お金」はこの先どう変わっていくのか? その未来形を探るべく、『アフター・ビットコイン』(新潮社)の著者であり、日本銀行勤務などを経て、現在は麗澤大学経済学部教授を務める中島真志さんに聞いた。

■屋台、銀行…スウェーデンでは、どこでもキャッシュレス

 中島さんがまず挙げたキーワードが「キャッシュレス化」。北欧が先行しているという。

ストックホルムの市場の風景 (写真:フォトライブラリー)

「昨年11月にスウェーデンに行ってきたのですが、キャッシュレス化が相当進んでいました。どのお店にも必ずカードリーダーが設置してあり、現地の人はデビットカードで、旅行者はクレジットカードで決済を行います。クリスマス・マーケットのような露天の屋台にもリーダーが置いてあり驚きました。現金を受付けないお店も増えています」

 そして、もはや銀行でさえ、現金を扱わなくなっている。

「なんと銀行員が財布を持っていませんでした(笑)。『私はこれ一つで生活できますから』と言って、デビットカードが入ったスマホケースを見せてくれましたからね。銀行の窓口でも基本的に現金は取り扱っていません。店頭の『犬×』(犬お断り)というマークの横に『現金×』(現金お断り)というマークが並んでいるほどです。そして路上にはいわゆる物乞いの人もいて、紙コップにコインを入れてジャラジャラしながらお金を乞うのですが、あげる側は現金を持っていないので、あげたくてもあげられないような状況です。スウェーデンに到着した際に、空港で現地の通貨に両替しましたが、結局1度も使いませんでした。いろいろな国に出張しましたが、こんなことは初めてです」

 ここで気になるのが、なぜスウェーデンでキャッシュレス化が急速に進んだのかということ。

 
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