「BEST T!MES」連載30問30答、3月は宇野常寛さんを特集! 自ら企画ユニット『PLANETS』を主宰、近年はメディアでの活躍も増える中、評論家として最新作『母性のディストピア』が大ヒット中。多彩な活動を続ける彼の「素顔」に30の質問で迫ります。

今のインターネットメディアは「速すぎる」

 

 僕がここ数ヶ月間ずっと思っているのは、「遅いインターネット計画」をやろうということです。インターネットメディアの特徴の1つにスピード感や速報性があるわけですが、その一方で、ツイッターを中心に「速すぎる」と思うんですよ。というのも、基本的に1週間くらいのスパンで誰かが誰かに対してダメ出しをしているじゃないですか。炎上ネタで生贄を1人決めて、みんなで寄ってたかって石を投げていますよね。しかも、文化人なんかはその論調に逆張りすることでポイントを稼いでいる。こんな風に本当にしょうもない状態になっているんですよ。ワイドショーはこの間まで、不倫問題や相撲の問題などに時間を費やしていましたけど、はっきり言ってしまえば、ツイッターは「ワイドショーの2軍」ですね。そういったものに全く価値は感じませんし、今のインターネットの世界では速すぎる気がします。やっぱり世界中の誰もが“好きなときに好きなようにアクセスできる”というインターネット本来の形を取り戻したいんですよね。

 

 だから僕は今年1年ぐらいでしっかり準備をして、来年ぐらいからウェブマガジンをやろうと思っています。タイムラインにあふれてくる炎上ネタよりも、ネットサーフィンみたいなものをもう1度取り戻したくて、グーグルの検索に引っかかりやすい所に良質な読みものを置いていくという運動です。だから“遅いインターネット計画”なんですよ。

 作るにはお金も必要になるので、集めないといけないと思っていますね。だからオンラインサロン(ウェブ上で展開される月額会費制のクローズドコミュニティ。 作家や実業家、アスリートなど、優れたスキルや経験を持つ人らが主宰者となり運営している)も始めようと思っていますし、企業スポンサーも集めようと思っています。まあ、動画サイトを一から作るわけでもないので、そんなにたくさんのお金がかかるものではないでしょうけど、地道にやっていこうかなということを思っていますね。

〈明日の質問は…… Q24.「メディアのあり方は変わっていくと思いますか?」です。〉