「BEST T!MES」連載30問30答、3月は宇野常寛さんを特集! 自ら企画ユニット『PLANETS』を主宰、近年はメディアでの活躍も増える中、評論家として最新作『母性のディストピア』が大ヒット中。多彩な活動を続ける彼の「素顔」に30の質問で迫ります。

僕は「サブカルチャーの時代」の最後の継承者

 

 一番変わったなと思うのは、社会におけるサブカルチャーの位置づけですよね。僕のデビュー作でもある「ゼロ年代の想像力」の帯を書いてくださったのが宮台真司さんでした。宮台さんって90年代の若手論壇のスターで、彼はサブカルチャー批評を柱のひとつにしていた。あの頃までって、若者向けのサブカルチャーを語れる人間が「社会の本質を一番理解できている」という空気があった時代だったんですよ。

 でも今はそういった空気が全くなくて、どちらかと言うとテクノロジーやそれを背景にした新しいビジネス・経済・情報を語ることができる人間が社会の本質を一番分かっている時代になっていると思います。そして、それを象徴する人物が「落合陽一」ですよね。

 

 僕は宮台さんに帯を書いてもらった本でデビューした一方で、落合陽一には本を出版すべきだと言って、デビューさせた人間なんです。彼の『魔法の世紀』という本は、もともとPLANETSのメルマガで連載していたものですからね。要するに宮台さんと落合くんのちょうど中間に僕がいる。そのことはすごく象徴的だなと思うんですよ。

 僕は70年代から90年代までのサブカルチャーの時代の最後の継承者なんだと思います。「母性のディストピア」も半分が情報社会論になっているのも、そういう理由なんですね。「最後の継承者」と言いましたが、サブカルチャーもサブカルチャー批評もこの先も続いていくでしょう。なので、「もう僕の自分のようにサブカルチャーを語る人間が現れない」というよりは、社会の接続のされ方が、「僕まで」と「僕以降」では違うようになるのではないかと思っています。僕は世代的に、サブカルチャーを語ることが最も効果的に社会を語ることだった時代の最後の一人という意味ですね。

〈明日の質問は…… Q30.「今、サブカルチャーというジャンルの中で宇野さんが「面白い!」と思うのは何ですか?」です。〉