前回のインタビューで、脚本を書くときには、演じる俳優をイメージしながらキャラクターを作っていく「当て書き」をあまりしないようにしていると話した古沢良太さん。その理由とは?

――「脚本を書くときは、僕は自分が最初に思い描いたキャラクターを大事にするべきだと思っている。それを受け取って、どう表現しようか考えるのが役者さんの仕事だと思う」というお話がありましたが、「当て書き」はもうするつもりはないのでしょうか。

 今はそういう気持ちですね。ただ、また気が変わるかもしれないので、先のことは分からないです。

――でも確かに、脚本家は脚本家の仕事に集中し、役者は役者の仕事に集中し、お互いを意識しない関係のほうが、お互いの想像を超えるような面白いキャラクターができる気がします。

 そうですね。たとえば、シャーロックホームズや金田一耕助は、当て書きのキャラクターでは全くないですよね。でも、俳優さんなら誰もがやってみたいと思うような魅力的なキャラクターですし、みんなが「自分だったらこう演じる」と考えたくなるキャラクターだと思うんです。しかもホームズなんかは100年以上前に生まれたキャラクターですけど、国境も時代も越えて、いろんな俳優がいまだに手を変え品を変え演じている。なかなかできないことですが、僕もそういうキャラクターを生み出したいと思っています。だから脚本を書く時は、まず僕が頑張ってすごく魅力的なキャラクターを作る。それを俳優さんが解釈して演じる。そういう脚本家と俳優の関係が理想かなって思っています。

 
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 ちなみに古沢さん脚本のドラマ『デート~恋とはどんなものかしら~』は中国でリメイク版が制作され、2017年2月に中国全土で配信を開始。古沢さんも監修を担当している。『デート~恋とはどんなものかしら~』は、主人公の2人の強烈なキャラクターが話題を呼んだドラマだったが、そのキャラクターは海を渡って別の役者が演じることになったわけだ。
 なお中国版「デート~恋とはどんなものかしら~」の日本語字幕版は、フジテレビの動画配信サービスで視聴が可能だ。
〈明日の質問は……Q12 .「映画、ドラマ、舞台で脚本の書き方は変わるのでしょうか?」です。〉