■ひざまずかせたその姿が「神様」に……

 

 「野球の神様」は本当にいる。
 そんなことまで考えてしまう。今日は投手。大谷翔平は圧巻だった。

 3番ローリーが、左ひざをつくように空振りをすると、バットを置き、ヘルメットを脱いだ。(決してそういう意志だったとは思わないが)脱帽といったこのシーンは、「大谷ショー」の幕開けを予感させた。立ち上がりから完璧なスタート。

 1番ジョイスを86マイルのスプリットで空振り三振。
 2番セミエンを96マイルのストレートで空振り三振。
 そして3番のローリーをスプリットでひざまずかせた。

 5回には再び三者連続三振を奪うなど、6回まで11奪三振で一人のランナーも許さない「完全投球」。
 球場のムードが否応なしに盛り上がっていく中、7回1アウトから2番セミエンにレフト前ヒットを運ばれると、ため息とともに、ここまでの快投への祝福――大きなスタンディングオベーションが起きた。

 

 その後、ストレートのフォアボールを出すなどややコントロールが乱れ2アウト2,3塁のピンチでは3ボール1ストライクとボールが先行し、力みも感じられたが最後はスプリットでこの日12個目の三振を奪い、大谷翔平も大きなガッツポーズと雄たけびを上げた。

 チームも6対1で勝利し、これで投手としては2試合に登板2勝0敗、13回を投げて18奪三振。現在11回連続無失点中である。打者として5試合に出場18打数7安打3本塁打……もはや「すごい」としか言い表せない。

 栗山監督が、2016年に日本一になった際、大谷翔平にあてた手紙にこんな一文がある。

「野球の神様に愛されなければ天下は取れないのです」

 栗山監督は、大谷が人を惹きつける理由に「二刀流」やその実力だけではなく「一塁に走る姿勢」を挙げていた。そういうことができる選手でないと「野球の神様」に愛されないのだ、と。メジャーでもその姿勢を貫く大谷翔平は、本当に野球の神様に見初められた……そのくらい言われないと、納得できない未知の領域に向かっている。