はじめての著書「Difficult? Yes.Impossible?…No. わたしの「不幸」がひとつ欠けたとして」が話題を呼ぶ女優の高橋メアリージュンさん。本に込めた思いを同世代の女性編集部員が直撃します。

 ■同じ境遇の人たちを理解してほしい

――今日はよろしくお願いします。

高橋 お願いします。

――本を拝読したんですが、テレビでお見掛けしていたイメージがあったので、まさかこんな壮絶な半生を送っていたとは想像していなくて、衝撃を受けました。

高橋 はい(笑)。

――ただ、すごくポジティブに書かれていてそこがもっとびっくりしたんです。本当に「不幸」だって感じられることはなかったんですか。

高橋 はい、思わないんです。試練だな、とは思うんですけど。

――わたしがひねくれてるからかもしれないんですけど(笑)、同じ経験をしたとしたらすごく自分に対して「不幸だな」とか劣等感を持ったり……もしかしたら不幸アピールをしたくなっているかも、と……。

高橋 そうなんですか(笑)。

――だからそういう雰囲気がなくてすごいな、と。

 

高橋 ありがとうございます。自分のつらさを分かってほしいという感覚よりは、(わたしと)同じ境遇にいる人たちのことを理解してほしいという思いがありました。病気であってもお金の問題であっても、その思いはありました。

――代弁している感覚ですか。

高橋 はい。だから病気のことも軽くは言えなかったですし、書けなかったですし……勘違いもされたくない。ただ「わたし、これだけ大変だったんです」っていうのは好きじゃないですし、そういう気持ちはありませんでした。

――そのお気持ちがあったからか、本の中に幸せな感じがあふれていて、その秘訣が知りたいです。闘病も傍から見たら大変なんですけど、闘病があったからこそこんなにいいことに気付けたとか、幸せに気付けたと書かれていて、どうやったらそうなれるんだろう、と。

 

高橋 秘訣ですか(笑)。実際にそう感じる経験があったって言うことが大きかったですけどね。なんでしょう……。

――例えば、「ありがとうっていう言葉をよく言うよね、と友人に言われる」とありましたけど、実は「ありがとう」とか「ごめんなさい」がストレートに言える大人ってあまりいないなと思っていて、そのマインドってどこで形成されてきたのでしょうか。

高橋 それは両親の存在が大きかったと思いますね。「ありがとう」と「ごめんなさい」はちゃんといいなさいってよく言われていました。

――小さい頃から。

高橋 はい、小さい頃から。「ありがとう」って言わないと怒られました(笑)。ですから、気心が知れたきょうだいであっても、たとえば何か取ってもらったら「ありがとう」って言う癖はついていて。「ありがとう」って言うことができると「どういたしまして」も自然と言うようになるし……それが染みついていて友人に言われたんだと思います。

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