■家族の結束力が強い理由

――ごきょうだいのことも含め、ご家族の結束力がすごく高い。一般的には齢を重ねるごとに家族との関係は希薄になることが多いと思うんですが……逆のような雰囲気がありました。

高橋 父の会社の倒産など困難を一緒に乗り越えようとしたときに、家族全員がお互いをお互いに守ろうと思えたんですね。その経験があったからかなと思います。なぜ守ろうと思えたか、といわれると言葉にはしづらいんですけど、ひとつ言えるのは両親の愛がすごく伝わっていたからかなと思います。もし愛が伝わっていなかったら、そうは思えなかったかもしれないんですけど、本当に小さいころからすごく大きな愛で包んでくれていたので、両親が大変だったらみんなで頑張ろうよっていう気持ちに自然となりましたね。

――両親のせいでこんなに我慢しなきゃ、とはならないですよね(苦笑)

高橋 ならなかったですね(笑)。

――一番共感したのは、選択肢が少なくなるから幸せに気付ける、という言葉でした。

高橋 はい、そう思います。かけがえのないきょうだいがいて、家族がいて、遊ぶのだって確かにモノは買ってもらえなかったけれど、それなら「なんとかゴッコ」をしようって楽しめました。遊ぶ知恵っていうんですかね。

――遊ぶ知恵とは例えばなんですか?

 

高橋 本当にくだらないですよ(笑)。覚えているのは、家族で元旦に京都の八坂神社に行ったことがあったんですけど、すごい人で入るまでに2、3時間待たなきゃいけなかったんですよ。暇じゃないですか。だから4人でストーリーを作ろうという話になって。ひとりが一文を言って、次の人につなげていく遊びをしていました。順番で一文を作って、ストーリーを繋げていく……。

――リレー小説みたいな。

高橋 あ、まさにそれですね。

――面白そうです。

 

高橋 楽しくて、待った感覚もほとんどなくて。ほかにも、ボール遊びをするときには〇〇になりきって遊んだり。

――なりきる?

高橋 大人になった今でもきょうだいでやるんですけど……、たとえばボーリングで、みんなが何かになりきって投げるんです。わたしは「最悪なことがあって落ち込んでる人」、妹は「酔っぱらってる人」とか。ノリノリで、四人で爆笑してます(笑)。

――ノリノリで!

高橋 周りから見たら何が面白いんだって感じなんですけど、両親も笑っていますね。

――どの遊びも想像力がすごいですね。

高橋 そうそう、モノがなかったぶん、想像力を使った遊びをすることが多かったですね。

――その想像力が演技に生きているのかもしれないですね。

高橋 今、話をしていて生きてるなって思いました(笑)。役作りの場合は想像というより妄想なんですけど、自分の出番がないシーンでも、この間「役であるわたし」は何をしているんだろう、っていうことをよく考えています。

――その場面にはいないけど……

高橋 いないけれど、このシーンとこのシーンの間に自分は何をしていたのかっていうストーリーを作るのが好きなんですよね。

次のページ 救われた、ある大物俳優からの言葉