◆語呂合わせのメッセージ「ベル文字」の流行

 

 昭和から平成にかけて大きく進化を遂げたものといえば、通信環境ではないだろうか。戦後間もなくは自宅に固定電話がある家庭は少なかったが、いまでは1人1台、携帯電話やスマートフォンを持っているほどだ。さらにインターネットの普及により、通話しかできなかった電話にメールやWEB検索などの機能が搭載され、私たちの生活を大きく変えている。
 携帯電話も、バブル期に象徴されるショルダーフォンからトランシーバー型となり、平成になるころには手のひらに収まる小型タイプが登場。いまではアンテナが内蔵され、さらにコンパクトになっている。

 こうした進化の歴史のなかで、廃れてしまったものもある。それは「ポケットベル」だ。サービスが開始されたのは、1968年と意外と古い。最初は音が鳴るだけのシンプルなものだったが、数字が表示されるようになると、「ベル文字」ともいわれる語呂合わせのメッセージを送信することも可能になった。
 たとえば、「おはよう」なら「084(0840)」と数字を打ち込む。これが当時の女子高生らに流行し、休み時間になると公衆電話に列をなして、他校の友だちにメッセージを送ったものだ。

 語呂合わせを表にした書籍なども多く発行された。こうしたものを参考にしても、自分の伝えたいことを数字のみで表すには限界があり、試行錯誤が重ねられた。そのため、オリジナリティがあふれすぎると謎の暗号と化し、解読するのが大変だったものである。

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