もうすぐ「平成」が終わりを迎えるが、その歴史も30年、今回は流行語に焦点を当てて「平成」を振り返ってみる。

◆「オバタリアン」「アッシーくん」「インスタ映え」

 官僚のセクハラ問題が世間を賑わせている。セクハラの正式名称であるセクシャル・ハラスメント(性的嫌がらせ)は、ユーキャン新語・流行語大賞の「1989 新語部門・金賞」を受賞した。いまでは日常的に使われている言葉だが、平成を迎えた当時は新しい言葉だったのだ。
 同年の流行語部門・金賞には、「オバタリアン」が選ばれている。ホラー映画の『バタリアン』とオバサンを合成した造語で、堀田かつひこ氏の同名漫画から拡散。オバタリアンとは、「ずうずうしく、羞恥心がなく、自分勝手」なキャラクターとのことで、愛すべき性格ももち合せている。しかし、ネガティブな面がピックアップされがちで、中年女性を揶揄する際に使われることも多かった。現代風にいえば、「BBA」になるだろうか。
 ちなみにこの年には、「平成」が特別部門・特別賞を獲得している。このように、新語や流行語から、当時の世相が見えてくる。

 バブル期にも、多数の新語・流行語が誕生した。1990年は新語部門・表現賞に「アッシーくん」、新語部門・銅賞は「オヤジギャル」が選ばれた。経済が急激に成長し、社会進出も進んできた女性たちがパワフルに生きる様子がうかがえる。
 1991年には、「損失補填」が流行語部門・銅賞に。バブル崩壊を象徴するキーワードであり、翌年(1992)の新語部門・銀賞は「カード破産」、表現部門・金賞は「複合不況」が選ばれた。先の見えない暗い時代を彷彿させる。

 

 現代の新語・流行語事情はどうだろうか。2017年を見ると、「忖度」や「Jアラート」など、政治関連の言葉も並ぶが、年間大賞に選ばれた「インスタ映え」だ。

 

 この言葉は、インスタグラムを中心としたSNSで「いいね」を獲得するべく、凝った写真を撮影することや、受けがよさそうな見栄えのいい料理や風景などに対して使われることが多い。SNSが広く普及したことや、表現の場を得ることで承認欲求が高まる様子を感じさせる。

 発売中の『一個人』5月号の特集「"平成"と年号のおもしろヒストリー」では、平成に起きた出来事や流行語、トレンド商品などをピックアップ。各年の流行語を年表に照らし合わせてみると、より世相がわかりやすくなるかもしれない。