ワルサーP38、シュマイザー短機関銃、モーゼル小銃……20世紀のドイツ軍を支えた、世界屈指の名銃に迫る連載、第2回。
愛銃MP40を抱えたドイツ陸軍伍長。東部戦線にて。多くの銃器が機能不全を起こす東部戦線の極寒の冬でも、本銃は基本的な手入れさえ怠らなければ快調に作動したという。

■シュマイザーMP38/40短機関銃

 いわゆる機関銃は、小銃弾を連射するので威力がある。だがその反面、兵士が一人で気軽に取り扱うには反動が強いうえ大きく重すぎた。そこで第一次大戦では機関銃の軽量化が図られたが、これは、いわば使用する弾薬から見たボトムダウンといえる。
 一方、威力は弱いが反動も弱い拳銃弾なら、大きく重い銃でなくとも容易に連射が可能だ。しかも、いくら弱威力とはいっても近接戦闘であればさほど問題にはならない。かような理由で第一次大戦中、ドイツは拳銃弾を連射する銃を短機関銃(マシーネンピストーレ)として実戦配備。塹壕戦での近接戦闘兵器の位置付けで重用した。これが使用する弾薬から見たボトムアップであり、誕生したのがMP18短機関銃だった。
 こうした第一次大戦時の戦訓により、ドイツ軍は短機関銃の有用性を熟知していた。そこで同大戦敗戦後の再軍備化に際して新しい短機関銃の開発を進め、誕生したのが、ワルサーP38と同じ拳銃弾の9mmパラベラム弾を使用する本銃MP38である。

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