人を特定するためにマイナンバーが採用され、元来の個人名のような味わいや個性がなくなった。同様に四桁の数字の西暦が主流となった世界で、表意文字の元号を何故継承すべきかなのか、漢字二文字の持つ歴史と意味について学んでいこう。

■なぜ日本人は「元号」と「西暦」を使い分けるのか?

 日本では明治6年(1873)、これまでの中国式の旧暦から西洋式の新暦(太陽暦)に改め、それに伴う西暦も併用するようになった。ただし、実際に日本社会で西暦が普及するのは、第二次世界大戦の後あたりからだ。そして、グローバル化が進む今日、欧米を中心としたほとんどの国で公用されている西暦を使うほうが、便利に見えてしまう。
 西暦表示は、四桁数字によって年次のみを示す、わかりやすいが単純なものだ。これはデータなど資料の整理をする際には、とても機能的に優れている。反対に古い元号では馴染みのないものも多く、どれが先でどれが後なのか一目瞭然とはならない。

 

 しかし、元号に用いられている漢字は表意文字だ。つまり、文字自体に意味がある。例えば「平成」という元号には、公表のときに小渕官房長官(当時)が竹下首相談話として説明したように「国家の内にも外にも、および天にも地
にも平和が達成される」という願いと理想が込められている。そしてこの平成もまた、これまでの元号にならい『書経』と『史記』を出典元としている。このような官房長官の元号命名の説明により、新しい時代の理想が明確に掲げら
れることとなった。そしてこれによって、日本の歩むべき道は平和達成という思いを心に宿した人も、多いのではないだろうか。
「日本人としては、伝統的な元号と国際的な西暦を併用し、必要に応じて使い分けることが大切です。文字文化と数字文明の両方を活用する。これこそ日本人だけにできる、豊かな年次表示の在り方では無いでしょうか」と『皇位継承のあり方』(PHP新書)の著者・所功さんは語る。

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