保険は基本的に「損」する

 共働き世帯が6割を超えるようになった今日。もはや育児や家事をめぐる夫婦の役割分担についての「一般的なモデル」はなくなり、それぞれのカップルが自分たちに合う答えを模索していかなければいけない状況となっている。
 家計についても同じことが言える。これまでのような「一家の大黒柱」である夫の収入のみを当てにするのではなく、共働きであることをふまえたうえで、自分たちに合ったマネープランを考えることが重要だ。

 

 そこで、数多くの生活総合支援相談を受けているファイナンシャルプランナー・岡村陽介さんに、共働きカップルのマネープランについて考え方のポイントを伺った。

 まずは、不測の事態に備えて、将来的な不安を解消するためにすがりたくなる保険。どんなものを選べば良いのだろうか。
「そもそも保険はいりません。これまでの経験でお客様から相談を受けて、生活費の支出を見直してみると保険料が削れないことって、まずないんです。それだけ無駄にかけられていることの方が多いのです。統計を見ると生涯で払う保険料の総額は1000万を超えます。それに対して受け取れる保険金額は平均300万ぐらいです」

 

 日本の社会は問答無用で“保険は必要なもの”という考え方が主流。岡村さんは決して保険を否定していないが、考えなしに「みんなが入っているから」と加入することに異を唱える。保険に入ることを前提としたマネープランではなく、保険に頼らない生涯のプランをシミュレーションすることが先決すべきだという。
「まずは人生プランを考えることです。生涯に必要なお金はどのくらいなのか。ひと月の家賃や食費など生活費、遊興費などの月例、定例の支出を積み重ねて、さらには入院費など不測の支出を考慮するとおおよその目安が出ます。それに対して生涯収入がどれぐらいになるか。今の収入のままでは足りなければ、例えば40歳までに年収を20%増やそうとか、50歳までに年収1000万を目指そうとか目標を設定していくのです。私もお客さまにはご本人の希望を聞きながら、具体的な数字を書き出してシミュレーションをしていきます。すると、大抵のケースで保険がそれほどなくても意外とやっていけることが確認できます」 

 そもそも保険に払おうとしていた金額をそのまま貯蓄に回すだけでも、生涯で計算すればかなりの額が貯まる。賢く生きるなら保険の見直しはマストだろう。
 とはいえ、それでも「万が一」に備えたくなるのが、人間というもの。次回は、保険に頼らずどこまで暮らせるのか。日本の社会保障について見ていこう。