4月29日から始まる卓球の世界選手権。〝神解説〟でおなじみの宮義仁さんに聞く卓球世界選手権2018の見どころ。最終回は中国ほか、海外のライバル国に目を向けてみよう。

やはり目を向けるのは中国

--中国以外に、日本が警戒すべき国はあるでしょうか。

宮﨑 ないですね。強いて言えば情報の少ない北朝鮮が怖いですが、あとはないです。

--リオ五輪の準決勝で敗れたドイツはどうですか。

宮﨑 ドイツは五輪と世界選手権でメンバーがかなり違います。ルール上、五輪は帰化選手も出られますが、世界選手権は帰化選手の出場に細かい規定があって、ドイツに限らず、元中国の強い選手が出てこないんです。

--では、宿敵の中国について。代表5人の中で倒せそうな選手、戦いやすい選手はいますか。

宮﨑 いや、戦いやすい選手はひとりもいません。丁寧は最近あまり国際試合に出てこないけど、リオ五輪の個人金メダリストで恐ろしく強いし、劉詩雯も今の日本代表は誰も勝ったことがない。陳夢は世界ランク1位で、朱雨玲は世界ランク2位。中国はこの4人が中心でしょう。

--中国を倒すための戦術について質問させてください。今年3月のカタールオープン。石川佳純は平野美宇戦で、ストップを多用して、ラリーに強い平野の良さを消す戦い方をして勝利しました。しかし次の劉詩雯戦では、真っ向から高速ラリーの打ち合いをして敗れてしまった。劉詩雯は平野に近いタイプだと思うので「どうして石川は平野戦のような、相手の良さを消す戦い方をしなかったんだろう?」という感想を持ったのですが。

宮﨑 それは対戦相手がそうさせないようにしているんです。劉詩雯のほうがラリーに持ち込ませている。

 平野は自分のスタイルを押し通す選手なので、石川がそれを打たせないパターンに持っていく。それでも平野はスタイルを崩さないで負けてしまう。でも劉詩雯は、最初から石川の戦術をやらせないようにした。だから石川もラリーに持っていくしかなくて負けた。それだけ劉詩雯のほうが戦術的に上ということです。

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