育児を通した夫婦関係について、「夫」目線で考える本特集「『イクメン』って結局なに?」。
ここまで見てきたように、子育て中の妻にとってひとりで家事・育児をこなさなければならない「ワンオペ育児」の状態は、大きなストレスを与える要因となっている。しかし、いくら夫が家事・育児に協力的であっても、実際にはワンオペ育児を完全に解消することは難しい。
では、ワンオペ状態になっている家庭で、妻のストレスや負担が最小限になるようにするには、どうすれば良いのか。家事シェアや夫婦のパートナーシップ、子育て家庭のための模様替えなど、"ただいま"と帰りたくなる家庭づくりをすすめる活動をしているNPO法人tadaima!の代表・三木智有さんにお話を聞いた。

■最低限やっておくべきは「情報の共有」

 

「いつもパパさんがママさんに『ありがとう』を伝えるとか、それももちろん大事なんですけれど、一番重要なのは、お互いに徹底して情報を共有し合うということです」。
 家事も育児も妻のワンオペ状態に陥ってしまっている家庭では、基本的に妻が情報の管理を行っていることが多い。特に育児については、母子手帳の場所から、子どもの通っている病院、予防接種の日程、保育園の連絡事項など、妻が細部に至るまで把握しているのに対し、夫が知っている情報というのは極端に少ない。三木さんによると、その「情報格差」こそがワンオペ状態を助長し、悪化させているのだという。

「ママは、パパと比べたときに、育児に関する知識がアップグレードされていきやすいという差もあります。ママは普段から、インターネットや本で子育てに関する色んなことを調べていますし、ママ友から聞く情報もありますよね。だからパパの持っている情報がどんどん古くなって、話がかみ合わなくなってくるんです。話がかみ合わなければママはコミュニケーションをとるのにストレスがかかるので、『パパと話をしてもどうしようもない』となり、いっそう一人で抱え込んでしまうようになります」。

 この情報格差がマイナスの影響を与えるのは、妻側だけではない。夫の方も、自分の持っている情報が古かったり少なかったりすれば、自分が何かをやっても仕方がないと思うし、妻が行った方が合理的だと判断してしまう。そうして余計に家事・育児に関わりづらい立場に置かれることになるのだ。
 したがって、情報共有を行うにはまず、妻の方から夫に連絡事項をこまめに伝える必要が出てくる。

次のページ 「私しか分からない」は「私が全部やります」宣言と同じ