古き良き日本の街並みに、ビンのようなタワーがそびえたつ。そんな風情ある街で繰り広げられるドラマをシリーズ化したのが、「オロナミンC」のCMだ。これを撮影したのは小江戸・佐原(千葉県香取市)だと、同市出身の友人が誇らしげに語っていた。

 

 佐原は“水の郷”としても知られている。茨城との県境にあり、東京からの距離は約70km。歩けば半日以上かかる場所にあるが、江戸時代には「お江戸見たけりゃ佐原へござれ 佐原本町 江戸優り」といわれるほど栄えたという。水運に恵まれたことで、街は活気づいていた。
 この水運を利用して、穀物などが江戸に運ばれた。同時に、江戸からも呉服などの物資のほか、文化も運び込まれて、佐原は大いに発展したという。今でも小舟が浮かぶ小野川沿いには当時の建物が残り、関東初の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。

 ここには、日本地図の祖ともいうべき、伊能忠敬の旧宅が現存。店舗は、伊能が婿入りする前に建てられたとされる。当時は醸造業などを営んでおり、伊能は10代当主として商才を発揮。旧佐原村本宿組の名主も務め、街の隆盛にも寄与したという。

 

 このように富み栄えた佐原を象徴するものとしては、関東三大山車祭りのひとつに数えられる「佐原の大祭」があげられる。彫刻を施した豪奢な山車には、わらで作られた大きな鯉などがのせられていて、その迫力に圧倒されるだろう。
 さらに、日本神話や歴史上の人物を模した大人形が飾られたものもあり、その高さは4~5mにもなるのだとか。大人形は町ごとに異なり、見物客を楽しませてくれる。

 夏は八坂神社、秋は諏訪神社の祭礼として行われる同祭り、今年は夏が7月13日~15日、秋は10月12日~14日に開催予定。八坂神社境内の水郷佐原山車会館でも山車を見ることができるが、小江戸散策も兼ねて足を運びたいものだ。

 5月9日発売の雑誌『一個人』6月号では、「伊能忠敬と日本地図を巡る旅」を特集する。今年は佐原にゆかりの深い伊能忠敬の没後200年。これを機に、伊能の功績や地図の楽しみ方を味わってみては。