■落語家になる方法は

 ここ数年、落語がブームになっています。最近は人気のある噺家さんの寄席や落語会のチケットは、油断するとすぐに売り切れ。そのせいで観たいと思っても、足を運ぶ機会も少なくなってしまいます。「それじゃテレビで」といったところで、正直、落語番組は少ない。それに高座でしか演らない、上手い噺家さんもたくさんいます。

 さて、そんな落語ですが、25歳でサラリーマンを辞めて落語立川流に入門し、噺家になった人物がいるのをご存じでしょうか。それが立川談慶さんです。師匠は当時「天才」と呼ばれた立川流家元・立川談志さん。その修行時代の経験を綴ったのが、『大事なことはすべて 立川談志(ししょう)に教わった』(KKベストセラーズ刊)です。この本には談慶さんの会社勤めと修行時代を通して感じた、一般社会と落語界の違いや共通点が、独自の視点と分析で記されています。そして実は、これらの話は私たちの仕事や日常生活の人付き合いに活用できるヒントが、たくさん詰まっているのです。

 そこで今回から、この書籍に収められている数々のエピソードから、読者に役立つものを選りすぐってご紹介する連載を開始します。
 第1回は『落語家になる方法は』。談慶さんがどんな会社にいたか、そして入門するときの話を語ってもらいましょう。

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