卓球の世界選手権団体戦。石川佳純、伊藤美誠、平野美宇を中心に戦った日本女子は、決勝で中国に敗れたものの、銀メダルに輝いた。コリアの合同チーム結成という、前代未聞のハプニングもあった今大会を振り返る。準決勝で、キム・ソンイ(コリア)との激闘を制したキャプテン石川佳純。決勝では朱雨玲にストレート負けを喫したが、この1試合だけで彼女の未来像にまで、ネガティヴな感想をぶつけるのは的外れだ。誰よりも中国勢を倒してきたのは彼女なのだから。

■石川佳純の実力はあんなものじゃない

写真:千葉格/アフロ

 前回のコラムに、日本女子が団体戦で中国を破って優勝した過去の大会を紹介したが、もうひとつあった。

 2010年の世界ジュニア選手権。当時17歳のエース石川佳純が、決勝の中国戦で2勝をあげた大会だ。

 このとき負かした相手のひとりが朱雨玲。今年の世界卓球の決勝でも当たった、あの選手である。

 石川佳純と朱雨玲は、2010年世界ジュニアの個人戦決勝でも激突。朱雨玲が団体戦の借りを返して勝利した。ふたりの対決の歴史は長い。

 今大会の決勝、中国戦に3番手で登場した石川佳純は、朱雨玲に0-3のストレート負け。試合内容は本人も「最悪だった」と語るように、いいところがなかった。

 しかしこの1試合の結果だけで、2020東京五輪を見据えた石川佳純の未来像にまで、ネガティヴな感想をぶつけるのは的外れだ。

 ここ半年間で誰よりも多く、中国人選手を倒してきたのは石川である。バックハンドの強化などにより、中国相手に勝てなかった時期を脱して、目に見える成果を出しているのが最近の石川だ。

 朱雨玲との対戦は、キャプテンとして力が入りすぎたのか。長年の苦手意識を引きずってしまったのか。それとも「今大会で最もドラマティックな試合」と国際卓球連盟も激賞した、準決勝のキム・ソンイ(コリア)戦の反動が出てしまったのか。カットマンとの長時間の試合はドライブの感覚を狂わせ、調整が難しいといわれる。

 私ごときが擁護したところで何の効力もないが、言いたいことはひとつ。

 今の石川佳純の実力はあんなもんじゃない。決勝の1試合だけで語って欲しくない。東京五輪で金メダルを獲るためには、日本女子の中で誰よりも中国を知る石川の力が必要になる。これから先の石川佳純が、それを証明してくれるだろう。

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