「弱酸性ソープは本当に肌にやさしいの?」「いえいえ、そこには静かに肌の老化を進行させる事実があるんです」と警鐘を鳴らすのは手作り石けん作家でヨガの指導者でもある井出順子先生。テレビのCMや広告などで弱酸性があたかも肌思いの象徴のように謳われているのはなぜなのか? 世直し手作り石けん作家の井出先生がわかりやすく解説してくれました!

弱酸性は肌の老化へ一直線だった!
 本当に肌をきれいにするのは弱アルカリ性の手作り石けん。

「肌を洗うなら弱酸性がいい」そんな風に思っていませんか?
確かに人間の健康な皮膚のpHは弱酸性です。でも、だからといって弱酸性の洗顔料やボディソープが肌にやさしいと安易に判断するのはちょっと待って。実はそこには静かに肌の老化を進行させる事実が隠されていることは、あまり知られていません。もしかしたら、その敏感肌や乾燥肌は毎日使っている洗浄剤のせいかも・・?

 テレビのCMや広告などでは弱酸性があたかも肌思いの象徴のように謳われています。肌と同じ弱酸性で大人も子供も洗いましょう、と。しかし、そこには無視できない危険が潜んでいます。なぜなら、弱酸性の石けんや洗浄剤は「合成界面活性剤」を配合しないと作り出すことができないからです。

 合成界面活性剤という言葉には、なんとなくマイナスのイメージを持っている方も多いかもしれません。そもそも「界面活性」とは、本来混じり合うことのない水と油の境界(界面)を結びつけるもの。食器の油汚れを落とすときや、肌の汚れをきれいに落とすときにも必要な作用です。この界面活性という作用自体は悪者ではないのですが、この作用が必要以上に強い「合成界面活性剤」が肌に悪さをします。

 合成界面活性剤が与える一番大きい肌ダメージは、皮膚バリアを壊されることです。肌の美容はこの皮膚バリアの健康に左右されるといっても過言ではありません。私たちの肌の表面は自らが分泌する皮脂によって覆われています。これが自然な潤いとして感じられたり外部刺激から肌を守ってくれたりするのです。ところが、合成界面活性剤は人間に必要な皮脂までごっそり取り除いてしまい、肌の表面にある角質層の健康な秩序を荒らしていきます。こうなるとシミやシワがどんどんできやすくなり、肌の老化へ一直線です。

「弱酸性は肌がつっぱらないし問題なさそうだけど?」という声も聞きますが、それは使用感を高めるために洗浄剤と一緒に配合された合成の成分が肌にぴったりとはりつくため。残念ながら、肌自体が健康できれいになっているわけではありません。

 皮膚バリアが壊されるということは、本来皮膚で保たれていないといけない水分や皮脂が失われて、外部刺激から肌を守る力も弱くなるということ。有害な化学成分も肌バリアを突破して侵入する恐れもあるため、肌に使うスキンケア製品や化粧品のちょっとした刺激にも敏感になってしまいます。皮膚バリアを静かに破壊していく合成界面活性剤を使い続ければ、誰でも乾燥肌や敏感肌になってもおかしくないのです。

 大人の美容のために合成界面活性剤はもちろん避けたいですが、小さな赤ちゃんや幼い子どもの肌にとっても有害であることを覚えておきましょう。合成界面活性剤の強い作用で幼い子どもの肌を洗いすぎると、構築されるはずの皮膚バリアが壊されてうまく機能しなくなり、アトピー性皮膚炎の一因になることもあるのだとか。せっかく健康な肌で生まれてきたのに、安心だと思っていた洗浄剤でそれを害していたなんて少し悲しいですよね。肌の健康を守りながら衛生面を保ちたいものです。