■「小京都」のひとつ、栃木県栃木市

 日本には、「小京都」といわれる街が点在している。小京都とはデジタル大辞林(小学館)によれば、「京都に類似した特色をもつ地方の小都市」とのこと。歴史ある街並みや寺社が多いなどの特徴が挙げられる。

 こうした小京都と京都が参加する「全国京都会議」という組織もある。加盟に当たっては京都のような自然景観、街並み、たたずまいのほか、京都と歴史的なつながりがある、伝統的な産業、芸能があるといった条件が1つ以上あてはまることが基準だという。

 栃木県栃木市もそのひとつで、宿場町として栄えた。江戸時代の土蔵も現存し、当時の繁栄ぶりを現代に伝えている。

市内を流れる巴波川。写真:クリエイティブコモンズ

 この栃木市は、「小江戸」といわれることも。市内を流れる巴波川は、江戸へとつながる水運の要として街の発展に大いに寄与した。

 この小江戸という言葉も旅行パンフレットなどで目にする機会があるが、デジタル大辞林には「古い町並みや武家屋敷など、江戸時代の面影を残す町」とのことだ。栃木市を訪れたことは何回かあるが、個人的には小江戸のほうがしっくりくると感じた。

 そんな栃木市は、埼玉県川越市、千葉県香取市(旧佐原市)と連携し、「小江戸サミット」を開催。この3市には、いまも残る蔵造りの街並み、江戸との舟運で栄えた歴史があること、江戸天下祭の影響を受けた山車祭りという共通点がある。

 ほかにも、小江戸というキーワードをアピールしている街は少なくない。城下町として知られる滋賀県彦根市では、毎年11月3日に「小江戸彦根の城まつりパレード」を開催。彦根城域にて子供大名行列や井伊の赤鬼家臣団列などを行っている。

 小江戸と名乗るための明確な定義はないようだが、江戸情緒が残るということを条件とするならば、さらに多くの街が該当するだろう。こうした街を巡るときには、古地図を持っていきたいものだ。当時の街並みを味わいつつも、現代との違いを比較できるので、一度にさまざまな魅力を楽しめそうだ。

 発売中の雑誌『一個人』6月号では、「伊能忠敬と日本地図を巡る旅。」を特集。古地図の話はもちろん、日本地図の変遷や城下町の謎を解説している。今回の主人公である伊能忠敬は、小江戸・佐原にゆかりのある人物。こうした歴史的背景も頭に入れておくと、小江戸めぐりがさらに思い出深い体験になるのではないだろうか