Q2.ブレグジットに賛成した人、反対した人の違いは?

■大雑把な区分けはできるが、細かく見る必要がある

 これから説明するのは、ざっくりとした区分けだ。年配の人は離脱に投票し、若い世代は残留に票を入れた。ロンドンをはじめとした大都市の住民は残留に投票し、もう少し小さい市、町、村の人たちは離脱に投票した。スコットランドや北アイルランドの人たちは残留に投票。対してイングランド人(その数はスコットランド人やアイルランド人よりはるかに多い)は離脱に投票し、その割合はロンドン地域を除けば圧倒的だった。ある種の階級的な分断も見られた。すなわち中流階級は残留、労働者階級は離脱を支持した。

 こうしたカテゴライズが一般的とされている。だが、少しばかり指摘したい点もある。先に触れたように、スコットランドや北アイルランドは残留を支持しているが、これら2つの国の中には、スコットランドは38パーセント、北アイルランドには44パーセントもの賛成派がいた。つまり“大きな少数派”が存在したのだ。

 つぎに、ロンドンだ。ここも残留を選んだが、ロンドンでもブレグジット推進派が40パーセント。かなりの割合存在したのである。例えば、私が育った東ロンドンにあるヘイヴァリングという地域はブレグジット賛成。つまりロンドンといっても、「ロンドンのすべて」がブレグジットに反対しているとは言えない。ヘイヴァリングはロンドンの中では貧しい地域に入る。ラテを飲み劇場に行く代わりに、パブで酒を飲みフットボールを観るようなエリアだ。これをステレオタイプと言うのかもしれないが…残留支持者は、都会に住むいわゆる“持つもの”であり、ブレグジット支持者は学歴が低い下の階級。これはこの国のある種決まり文句のようなものなのだ。

■なぜ私はブレグジットを支持するか

 私がブレグジットを支持する理由をまとめるのは簡単ではない。私自身、ブレグジットを信じきれていないところもある。しかし全体として見れば、UKが自国を統治する能力に対する懸念よりも、EUに対する懸念の方がはるかに大きかったのだ。

 個人的なターニング・ポイントはデイビッド・キャメロンが国民投票に先立ち、EUとイギリスとの関係性について再度交渉を試みたときだ。結果的に彼は冷たくあしらわれた。そのとき私は、イギリス首相はEUに対してなんの影響も与えられないということがわかってしまった。

 EUの冷淡な対応は、当然だと言う人もいるかもしれない。なぜ、28カ国のうちのたった1国に合わせた変化がなされなければならないのか、と。結局EUは巨大な官僚主義的多国籍組織であり、その中においてはたったひとつの国家の懸案は重要でないということ。しかし私は、それはいいことだと思わない。

 私は、民主主義とはそれぞれの国の土壌で育つ植物のようなものだと思っている。

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