Q5.人々はどれくらいブレグジットについて話す?

■よく話題になる。しかしそれは“口論”になりがちだ

 確かにイギリスの人たちはブレグジットについてよく話す(もちろんニュースでもいつもやっている)。しかしえてしてそれは、“議論”ではなく“口論”になりがちだ。お互いに、激しい憎悪のような感情をぶつける。こんなわけなので、まともな分別がある人は議論を避けようとするし、もし話し合うにしても、相手が自分と同じ意見であるとあらかじめわかっている場合か、耳を貸すに値する意見の持ち主か。この場合に限られる。

 よくあるやりとりは、残留派がブレグジット支持者に対して、単に「バカ」とか「完全に頭がおかしい」と言ってしまうことだ。反対に私はブレグジット支持者が、残留派のことを「愛国心がない」とか「売国者」と言ったり、暗にほのめかすのも聞いたことがある。こうした両サイドの誹謗中傷合戦は危険だ。そして生産的ではない。到底あってはならないことだが、残念ながらよく起こっているのが現実だ。国中あげての論争にもなるが、結局まとまらない。

 私がブレグジットのことを書くようになった理由のひとつは、ブレグジット賛成派の人たちが見下される状況が心配だったからだ。これまで彼らの意見はずっと無視されてきたし、「あいつらはブレグジットの問題を理解できないから賛成に投票してしまったのさ」と見下されてきた過去がある。だから私は少しばかり彼らに寄り添いたいと思っている。

 そして先に書いたような、残留派のブレグジット支持者に対する態度こそが2度目の国民投票を求める動きを引き起こしたといえる。つまり「間違った結果になったのは、何百万もの馬鹿な人たちがその議題をロクに理解せずに離脱へ票を入れた。我々のような賢い人が賛成する“正しい結果”を得るために、もう一度投票をやり直す必要がある」と。

 私は何も「ブレグジットは正しいんだ。俺の言うことを聞いてくれ」と言うつもりはない。なかなか私の言動の意図は理解されないかもしれない。私がしようとしているのは、ブレグジット投票者の意見を代表することだけ。当然それは、残留派の声とあわせてまとめなければならないと思っている。