サッカーの醍醐味を言語化し読者に伝える「サッカーライター」とはどんな職業か。『サッカー「観戦力」が高まる』『3時間でサッカーの目利きになる』などの著書があり、Yahooニュース個人でも発信。紙・WEB問わない縦横無尽の活躍を続ける清水英斗さんにインタビュー。全3回。最終回は、これからの展望を聞く。

第1回:サッカーライター経験ゼロでドイツに飛んだ男のキャリア戦略
第2回:サッカームラ以外にも刺さるように。清水英斗氏が意識する“ふくらみ”

■状況に柔軟に対応していく

 第1回でも触れたが、清水さんは具体的にどうすればライターとして生き残れるかという戦略を持って始めた。また「30歳」というタイミリミットを設けて、それまでに一本立ちできればければすっぱりやめようとも思っていたそうだ。これからのことはどう考えているのだろうか。意外にも長期的な展望はないそう。

「先の大きな目標を掲げるのは好きじゃないんです。何かを達成するぞ!というよりも日々が充実していればいい、というのが僕の人生観です。その時々の状況に自分を合わせていく。結局サッカー選手もそうですが、僕らの世界は、自分ひとりでやれるものじゃなくて、きっかけを他の人が持ってきてくれる。僕らも出版社やTVの人から声をかけられたり、また自分で声をかけたことに相手が乗っかってきてくれないと動き出さないわけで」

 大風呂敷を掲げずにその時々の状況にあわせていく。仕事を受けるときのスタンスも、切り口を狭めない。むしろ自分が苦手だなと思う仕事の依頼が来た時こそ、自分が成長するチャンスだと思っている。

「このジャンルはできない、って決めつけちゃだめです。たとえば、サッカーの歴史的経緯や、審判にまつわる話。これらは僕の得意分野じゃないし、ツッコミもきやすい。僕も8年ぐらい前は避けていた分野です。でも今はすごく書いている。なぜならこれが自分の新境地を開くチャンスになると気づけたからです」

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