新刊『バカだけど日本のこと考えてみました』を上梓したつるの剛士氏。つるの氏と言えば1997年放送の『ウルトラマンダイナ』の主人公アスカ・シン役に抜擢され、20年以上経った今もウルトラマンのイメージで世間に知られている。それによってもたらされた、つるの氏自身の変化とは?

■アスカも「僕はつるの剛士だ」と思っている

――つるのさんにとって『ウルトラマンダイナ』(以下『ダイナ』)はどのような作品ですか?

 

つるの:とても思い入れのある作品であるのは間違いないのですが、僕自身、子どもの頃からウルトラマンの大ファンだったこともあり、実はいまだに自分がウルトラマンだということが信じられない時があって。ヘンな感じなんですよ。『ダイナ』に関しても、いちファンとして外から見ている感覚があります。

 でも、一方で『ダイナ』の主人公アスカ・シンを、単なる物語のキャラクターではなく、僕そのものだと感じている自分もいます。境遇も性格もそっくりなので。おかしな言い方かもしれませんが、きっとアスカも「僕はつるの剛士だ」と思っているんじゃないでしょうか。その意味では、僕にとっての『ダイナ』は、僕とアスカの成長記録であり、「実体験」でもあるんです。

『ダイナ』が終わった後も、僕はアスカとともに生きています。僕が年をとれば、アスカも年をとる。僕が成長すれば、アスカも成長する。体形も一緒に変わる(笑)。だから、別の作品でアスカが再登場する際には、その時その時の等身大の自分で臨むようにしています。脚本を読んで「今のアスカなら、こうするんじゃないかな?」と感じれば、監督に相談してセリフやストーリーを変えてもらったこともありました。

 それくらい僕はアスカという存在を本当に大切にし続けているんですが、これからもアスカを生かし続けるためには僕が芸能界でがんばっていかないといけない。そう考えると、やっぱり『ダイナ』は僕が何かを表現する上での原点なんだと思います。