死もまた、良し! です。
 私くらいの年齢になると、フッとそう思うことがあります」

2017年12月に急逝した直木賞作家の葉室 麟の新刊です!

撮影/佐々木芳郎

本書『葉室麟 洛中洛外をゆく。』は、著者初の人生論&自著解説した一冊です。
五十代の人生後半に作家デビューした著者が、歴史小説の主人公たちに託した想いを、そして、「美しく生きる」とは何なのかを熱く語った一冊!

 

自著解説するのは、デビュー作『乾山晩愁』、『孤篷のひと』、そして記念すべき50作目となった『墨龍賦』。
また、小説の舞台で、著者が晩年の三年間を過ごした京都(洛中洛外)の各所を訪問。小説ゆかりの地や美術作品を鑑賞できる名所スポット約40カ所を紹介。巻頭カラー口絵32頁&地図で、京めぐりを楽しめます。

【目次】
<口絵>葉室麟 洛中洛外をゆく。(カラー32頁)
 琳派デザインを確立、自由奔放な兄 尾形光琳
 文人画家の先駆け、地味な弟 尾形乾山
 ◆  「紅白梅図屏風」「白泥染付金彩芒文蓋物」「色絵竜田川図向付」
 ●  仁和寺「遼廓亭」/鷹峯・光悦寺 下鴨神社/妙顯寺/養源院 とらや/六兵衛窯/阿以波

流派を作らぬ孤高の絵師 海北友松
◆「方丈障壁画 雲龍図」 「月下渓流図屏風」
●建仁寺/東福寺/妙心寺

 茶人と幕府官僚、二つの顔を持つ 小堀遠州
 ◆  小堀遠州 鳥の子手茶碗 銘「白浪」
 千利休 初代長次郎 黒樂茶碗「万代屋黒」
 古田織部 織部黒 茶碗 銘「深山烏」
 ●南禅寺金地院「八窓席」 南禅寺金地院「方丈前庭」 二条城「二の丸庭園」

 葉室作品をもっと楽しむ 京散歩マップ

<第1章>          尾形光琳・乾山『乾山晩愁』
地味でもいい 葛藤とともに素直に生きる
〜光り輝くものだけが、この世に存在するわけではない〜

●『乾山晩愁』に関連する場所

コラム 「琳派始まりの地・鷹峯を訪ねて」

<第2章 >        海北友松『墨龍賦』
ごく普通に生きて いつしか"何者か"になる
〜生き惑いつつ、生き抜いた孤高の絵師〜

●墨龍賦』に関連する場所

<第3章> 小堀遠州『孤篷のひと』
調和を重んじ 自分なりの美意識を守る
〜「天下を狙う茶」より「生き延びる茶」を〜

コラム 葉室さん文化考① 「江戸時代の人にとってお茶とは何だったのか?」

遠州をとおして 生き方を考える
〜生きている喜びを味わい、同時に死を前提にする茶〜

●  『孤篷のひと』に関連する場所

コラム 葉室さん文化考② 「手弱女振りな日本文化と天皇制」

小説の主人公を中心とした人物年表

巻末特別エッセイ 「葉 室 さ ん と『美』」作家•澤田瞳子

 
【著者プロフィール】
葉室 麟(はむろ•りん)
1951年、福岡県北九州市生まれ。西南学院大学卒。地方紙の記者、ラジオニュースのデスクを経て、五十歳から創作活動に入る。2005年に尾形光琳•乾山兄弟を描いた短編小説「乾山晩愁」で、第29回歴史文学賞を受賞し、作家デビュー。2007年には「銀漢の賦」で第14回松本清張賞受賞、2012年には「蜩ノ記」で第146回直木三十五賞受賞、2016年「鬼神の如く 黒田叛臣伝」で第20回司馬遼太郎賞受賞。歴史の表舞台に立つ人物ではなく、陰や脇にいる人びとに寄り添い、また地方の視点からの歴史•時代小説を数多く執筆。昨年2017年月に病気のため急逝。享年六十六歳。