圧倒的な愛情で、ブヒとオーナー(飼い主)に寄り添うフレンチブルドッグ専門誌「BUHI」編集長から、犬と暮らすことを何となく、もしくは具体的に考えているあなたへ贈るメッセージ。

|犬と暮らそうと決意したあなたへ

 

ひさしぶりだね。
あなたが犬を飼いたがっているという話を聞いて、手紙を書きます。
犬のことについてだから、ずいぶん主観的になりそうだけど、そこらへんは許してね。
あなたと、これからやってくるあなたの犬に
少しでも役立つようなことが伝えられればいいのだけれど。

うちの犬は、13歳のフレンチブルドッグ。
そうだなあ、ちょっとかわいいんだよ。
女の子だし、クリーム色の毛並みにはまだ艶がある。一緒に眠るし、甘えるし、なぜかぼくに吠えたりもする。
手をのばせば、ぺろん、と舐めてくれる。
顔と顔を近づければ、鼻をぺろん。

ずいぶんと後ろ足が弱くなって、たまに転んだりするけど、そのときにさっと支えてあげるんだ。
そうすると、ほんとうに「ありがとう」っていう顔をするんだよ。

 

まだ子犬だったこの子がうちにきたときは、
「アタシはそんなかんたんに気を許したりしないんだからね」
というような目つきで睨まれたことを思い出す。
けれども、夜中には昨日までいっしょだった兄妹と離れたことがさみしいのか、きゅんきゅん鳴いていた。
ちっちゃいからだで、天井をあおぎながら。
犬なのに涙が出てくるんじゃないかと思うくらいにね。

ぼくは彼女のあごをそっと撫でて、だいじょうぶ、こわくない、とその手触りで伝えた。
夜中に誰かを思い出してさみしくなるのは、犬もおんなじなんだね。

翌日、彼女のちいさなからだをひっくり返してお腹を撫でてあげた。
ぐふふ、という声を出しながら
(いや、ほんとうにフレンチブルドッグはそんな声を出すのです)
彼女はうねうねとからだをくねらせて、よろこんだ。どうやらウケたみたいだ。
わいわいわい、とぼくは合いの手を入れつつ、つるつるのお腹をさする。

かんたんに仲よくなれたじゃないか。
リーダーシップをとるとか、ナメられないようにするとか、ぜんぜん関係なかった。
言うことを聞かせるよりまずは、仲よくなることだ。

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