四十六章 禍(わざわい)は足ることを知らざるより大なるは莫し
〜欲望を果てしなく膨らませていたら、決して幸せになれない〜

★欲張りへの戒め

 
 

 今月は老子第46章です。『老子』は古代、紀元前の時代から、「足ることを知らないと、大きな禍が起きる」と警告をし、人間の果てしない欲望を戒めてきました。考えてみれば私たちは、子供のころから欲張りはいけない、と親や学校で教えられてきたはずです。欲張りとは、まさに程度をわきまえず、欲望を膨らませることです。ところが大人になると、いつの間にか、人より優位に立って、もっともっと頑張り続ける生き方が良いと考えるようになります。そして、この地球に住む多くの生物や動物のことはさておいて、自分達だけの利益や都合を考えて発展へ走り続けているのが人間の姿ではないでしょうか。これではきりがありません。こんなに忙しく日々を過し、沢山のものを手にして、はたして人間は、今ほど豊かでなかった時代より、本当に幸せになったのでしょうか。もちろん食べるものが無く、飢餓で死ぬ人が多くある時代より、皆が美味しく食事ができる時代は幸せですが、また一方では、先進諸国では物が溢れる時代が到来し、食べ過ぎにより成人病といわれる多くの病気を誘発し、多くの医療費が使われ、社会問題にもなっています。 

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