|恋人や親子で行く体験型神社

 夏休みを利用して参詣旅行をするのであれば、ただ拝殿前で頭を下げるだけではなく、時間をたっぷりとって神社という聖地をじっくり体験してみるとよいだろう。
 神社によっては胎内くぐり(地下空間などをめぐって生まれ変わりを体験するもの)などの体験型信仰施設をもっているところや、禊(みそぎ)や滝行などの信仰体験の催しをするところもあるので、いろいろ挑戦してもらいたい。
 ただし、そうしたものはいずれも信仰行為として行うものであって、遊園地のアトラクションとは違うので、マナーと作法をしっかり守ることが必要だ。

 ここでは4種の神社体験をご紹介したい。

愛宕山に鎮座する愛宕神社は火伏の御神徳で知られ全国に御分社がある

 

⑦愛宕神社 

 まずは京都市右京区の愛宕神社への登拝(信仰登山)から。
 山の頂上や中腹に鎮座する神社は多いが、今はほとんどのところが自動車で参拝することができる。しかし、愛宕神社は違う。徒歩で上り、徒歩で下山するしか参拝方法はない。しかも往復約5時間。
 嵐山に近いこともあって散歩気分で登ってしまう人もいるらしく、参道には道が険しいこと、遭難者が出ていることを警告する看板も立てられている。山上と地上では気温が10度近く違うということからしても、登拝のハードさがわかるだろう。
 しかし、それだけに達成感は大きい。自己を見つめ直す機会にもなるだろう。

太郎坊阿賀神社は赤神山の山上に鎮座している

⑧太郎坊阿賀神社

 往復5時間はさすがに・・・という人には、滋賀県東近江市の太郎坊阿賀神社がおすすめだ。近江鉄道の太郎坊宮駅からほど近く、下から徒歩で登っても20分ほどだ(途中まで車で行くこともできる)。しかし、真の難関は本殿の前にある。

 

 

太郎坊阿賀神社の本殿へは夫婦岩の隙間を通らねばならない


 本殿にお参りするには、大岩の間の80センチほどの隙間を通り抜けていかねばならないのだ。私はスリムだからと安心してはいけない。悪心を抱いていると岩に押しつぶされてしまうそうだ。無事通り抜けられれば絶景が待っている。

⑨八重垣神社

「古代結婚発祥の地」ともいう八重垣神社


 体験型の占いもある。島根県松江市の八重垣神社では、境内の鏡の池に占い紙を浮かべて良縁の遅速を占う。占い紙が速く沈めば良縁も早く訪れ、岸近くで沈めば身近な人と結ばれるのだそうだ。なお、この鏡の池はスサノオの命がヤマタノオロチを退治した時に、のちに妻となるイナダヒメを隠した場所とされ、縁結びの聖地というべきところだ。

「日の本の夜を護る」とされる日御碕神社・日沈宮


 祭に参加するというのもいいだろう。

日御碕神社​

 島根県出雲市の日御碕神社は、境内にアマテラス大神を祀る日沈宮とスサノオの命を祀る神の宮が同居する変わった神社だ。このうち日沈宮は、伊勢神宮が日本の昼を護っているのに対し、日本の夜を護るとされている。こうした御由緒から毎年8月7日に「夕日の祭」(神幸神事)が行なわれている。

日御碕神社の夕日の祭は日沈宮が創建されたという経島の対岸で行われる


 日御碕は県内随一の夕日の名所なので、祭の際には見事な光景が見られることだろう。

■Access
 『愛宕神社』   
 ・嵐電・嵐山駅からバス15分清滝下車、徒歩約3時間
 『太郎坊阿賀神社』
 ・近江鉄道・太郎坊宮駅下車、徒歩20分
 『八重垣神社』
 ・JR山陰本線・松江駅よりバス25分
 ・八重垣神社下車すぐ
 『日御碕神社』  
 ・一畑電車・出雲大社前駅よりバス25分
 ・日御碕下車。徒歩3分