圭佑君、佑都君、真司との絶対的な差

 

 サッカー選手にとって「自信を持つこと」がなにより大事であることは、前回のコラムでも書いた。今回はその続き。

 向上心と自信――。これをずっと持ってプレーしている選手は、プロとして本当に成長していると感じる

 このふたつを持って、努力を重ねていけば絶対に夢がかなう! そのことを、(長友)佑都くん、(本田)圭佑くん、(香川)真司の3人が証明している。これはサッカー選手にかぎらず、アスリート選手全般にあてはまることなのかもしれない。“心・技・体”はスポーツ選手の3大要素だが、なかでも、プロ選手にとって“心”は、大きなウエイトを占めていると思う。

 彼ら3人と僕自身の差は、まさにそこ。自分で認めるのは悔しいけれど…客観的に見ても、僕自身に足りないところはそのメンタル的な部分。ひと言でいうと「自信」だ。彼らは努力を重ねて日本代表という舞台を経て、世界という大舞台で着実に結果を残している。そして、世界で通用するゆるぎない自信を身につけていった。言い換えれば、努力を重ねることの大切さを知っているのだろう。

 だからこそ「自信を作る」。今年、僕が身につけなければならない絶対的なものだ。

 

サッカーの神様が降りてきた!?

 

 現在、絶対的な自信を手に入れたいと努力している僕自身も、サッカー人生を振りかえれば、絶対的な「自信」を持っていた時期があった。年齢的に言えば、18歳から19歳くらい。

 あのときは、すべてがうまく回っていた。僕のところに、サッカーの神様が舞い降りてくれているのかな、と勘違いしてしまうほど(苦笑)、自信に満ち溢れていた。同世代では絶対にサッカーで負ける気がしなかった。

 とくにインドで行なわれたU-19アジア選手権――。あの1か月は、僕自身にとってひとつのピークだったと言える。U-19日本代表の一員として、U-20ワールドユース出場権をかけて臨んだ大会。僕たち日本代表は、グループリーグで初戦のイラン戦を落としたものの、決勝トーナメントでサウジアラビアに2-1で勝利し、宿敵・韓国をPK戦で下して、翌年開催されるU-20カナダ・ワールドユースの出場権を手に入れたのだ。

 1発勝負の決勝トーナメントでは、大舞台になればなるほど、僕自身のプレーも調子を上げていた。

 ひと言でいえば、ノリにノっていた。北朝鮮との決勝戦はPKで敗れて優勝を逃してしまったものの、個人的には全6試合に出場して決勝戦の1ゴールを含めて3得点をマーク。本当に自分のプレーは冴えていたと自負していた。

 

慢心ではない本物の自信がほしい

 

 翌年のU-20ワールドカップではそこそこの結果を残せた。メディアから「調子乗り世代」と呼ばれるほど、あのチームはすごく仲良しだった。チームとしてはベスト8で敗退したものの、正直もっと上を狙えたと思っているし、僕自身も当たり前のように“世界一”を目指していた。

 その大会を終えて、チームは解散。チームメイトのみんなとは、A代表で会おうと約束したのだが…、それ以降…僕自身のなかにあった「絶対的な自信」が徐々に薄れていくのだ。いわゆる“伸び悩み”にひどく苦しむことになるのだ。

 Jリーグでもパッとした成績を出せず、さらにサンフレッチェ広島のJ2降格を経験。北京オリンピック代表には候補選手に挙がりながら、本大会のメンバーには落選…。結果を出すことで自信をつかんできたのが、今度は大舞台の経験を積むことができなくなった。

 いま振り返ると、僕自身のなかでの「自信」が「慢心」になっていたのかもしれない。ずっと同世代では一番サッカーがうまいと勘違いしていた。

 なぜ圭佑くんや佑都くんが突き抜けることができたのか。それが数々の挫折を経験してもなお、折れない“心”を持っているから。言い換えると、ふたりとも同世代で“一番”ではなかった。だから上を見ることを忘れなかった(向上心)。必死に努力を重ねて結果をつかんできた(自信)

 対する柏木陽介は、「同世代で一番うまい」という自分に満足していたのだろう。つねに一番じゃないんだ! もっとうまくなりたい! そんな気持ちをどうしてもっと強く持てなかったのか…。そんな後悔の念を、いまさらながら感じている。

「一番だからこそ目の前の目標を見失いがちで、ストイックに走り続けることができない。天才と呼ばれる選手が陥りやすい“罠”だ」と、ある人がこう分析したが、自分自身を「天才」と思ったことはないが、慢心があったことは事実だろう。

 だからこそ、もう二度と同じ過ちは犯したくない。慢心ではなく、ゆるぎない“本物の自信”を手に入れるために、僕自身も圭佑くんや佑都くんに負けないくらいの努力を重ねていきたい。そして、2014年の未来日記には「自信を手に入れた!」と絶対に書くつもりだ。

 

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