■ソープ嬢とボーイの関係に似ている

 愛想がよく、機転の利く男でなければ、妓楼の若い者はとうてい務まらなかった。

 

 妓楼では、遊女のほうが若い者より身分は上である。虫の居所が悪い遊女や、わがままな遊女に対して、若い者が命令などできない。ひたすら、なだめすかすしかなかった。

 このあたりの事情は、吉原のソープランドでボーイをしていた体験を書いた『ソープランドでボーイをしていました』(玉井次郎著、彩図社、2014年)でもよくわかる。

 ソープ嬢とボーイの関係は、遊女と若い者の関係と本質的に同じといえるかもしれない。

 ところで、若い者は自分が奉公している見世の遊女と性的な関係を持つのは固く禁じられていた。

 春画には物置などで若い者と遊女が密会している絵がたくさんあるが、これはあくまでフィクションである。もちろん、男と女の関係なので、絶対になかったとは言い切れないが。

 吉原の妓楼の若い者が女郎買いをするのは、もっぱらコツだった。

 コツは小塚原にあった遊里で、吉原からは距離的に近く、揚代も安かったからである。

『岡場遊廓考』(石塚豊芥子編、江戸後期)によると、三十六軒の女郎屋があったという。

 ただし、すぐ近くには小塚原の刑場があった。