連載「母への詫び状」第二十七回〉

■ たまたま応募した俳句が最終選考に

 

 母のことを俳句にして、賞に応募してみたことがある。

 と言っても本格的なものではなく、ペットボトルのお茶のラベルに俳句が印刷される、あの応募数日本一とされるコンテストだ。

 普段、俳句を創作する習慣はまったくないが、たまたまネットで公募の記事を見かけて、ほお、一丁応募してみっかと、30分ほどで2作品をこしらえて投稿した。

 それから3、4ヶ月して、もう応募したことすら忘れていた頃、その賞の事務局から封書が届いた。

「あなたの俳句が最終選考に残っています。この作品のエピソードを教えてください」

 当の手紙は紛失してしまったため、文面は正確に覚えていないが、そんな内容だった。

 マ、マジですか。あんな適当に書いたものが、おーいと呼びかけるペットボトルに載るかも知れないんですかと、テンションが上がった。

 ただし、書類をよく読むと、本当の目的は著作権の確認のようで、あなたの応募した俳句は誰かの盗作じゃないですよね、もし誰かの著作権を侵害した作品だったと後で判明した場合、責任はあなたにありますけど大丈夫ですかと、その辺のことを確認する通知でもあった。

 当たりクジ 赤子のような 母介護

 恥ずかしながら、これが最終選考に残ったという俳句である。この賞で募集される「新俳句」は季語が必要ないとのことだったので、季語は入っていない。