■今、増税すべきなのか?――二つのデメリット

 とはいえ問題の本質は、来年の選挙がどうなるかとか、仏の顔が正確には何回までかではありません。ずばり「今、消費増税すべきなのか」です。つまりは税率の引き上げが、わが国の経世済民(国の存立と繁栄を確保すること)に貢献するかどうか。

 経世済民に貢献するのであれば、国民の反対を恐れずに実行するのが政治の責任というものでしょう。逆に経世済民に反するのなら、予定されていようと中止するのが筋です。

 こう考えるとき、消費増税には無視できないデメリットが存在する。具体的には次の二つです。

(1)消費税率の引き上げは、何かを買う側にしてみれば、物価の強制的な値上げにひとしい。よって消費が減少、経済の冷え込みが生じる。
(2)大型間接税である消費税は、低所得層にもまんべんなく課税される。このため余裕のない層ほど負担の度合いが重くなり、格差の拡大につながる。

 現在の日本は、デフレ不況から脱却したとはいえない状況にあるうえ、格差の拡大が深刻な社会問題になっています。消費増税は、これらを是正するどころか、いっそう悪化させてしまうのです。

 税率引き上げが物価の強制的な値上げにひとしいといっても、デフレが解消されることにはなりません。それは買う側にとっての話にすぎず、売る側の利益が増えるわけではないからです。値段が高くなったぶん買い控えが起きて、売上げが落ちるだけ。

次のページ 景気悪化か社会保障かの二者択一