■格差拡大を望む日本人

 
 

 前編でもお話ししたように、わが国では消費増税について「心情的にはイヤだが必要なこと」という受け止め方が一般的です。2017年、安倍総理は税率引き上げを公約に掲げて、解散・総選挙に打って出ましたが、自民党は大勝を収めました。

 ならば、なぜ消費増税は(経済を確実に冷え込ませるにもかかわらず)必要と見なされるのか? これにたいする答えは、「社会保障の財源確保のため」となるでしょう。

 とはいえ財源確保のための増税なら、所得税や法人税を上げる手もあります。他方、所得税には累進性、つまり高所得層ほど負担が重くなる特徴があるのにたいし(法人税も累進性こそありませんが、中小企業の所得の一部には軽減税率が適用されます)、消費税はあらゆる層にまんべんなく課税されるため、低所得層ほど負担の度合いが重くなる。

 そんな税が強化されれば、格差は当然、拡大します。すなわち所得税や法人税よりも、消費税を引き上げようとする姿勢には、「高所得層や企業の負担が増えるくらいなら、社会的格差が拡大したほうがマシ」という発想がひそんでいるのです。
 この発想、社会全体を不安定にしかねません。なのになぜ、消費増税必要論が広く受け入れられているのでしょう?

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