■鉄板・行田市の「ゼリーフライ」

 B級グルメがクローズアップされるようになり、人気メニューは専門店ができたり、インスタント食品や菓子類とコラボレーションしたりするなど、各地の味わいを手軽に楽しめるようになった。静岡県の富士宮やきそばや、千葉県の勝浦タンタンメンなど、イベントを通じて知名度が急上昇した逸品も多い。

 筆者の暮らす埼玉県は、観光地としてはインパクトに欠けるといわれてしまう。しかし、B級グルメが豊富なエリアなのだ。観光資源としても注目されている、埼玉のご当地グルメを紹介しよう。

 埼玉のB級グルメといえば、行田市の「ゼリーフライ」が有名だ。その名から、デザートとしてのゼリーを油で揚げたものを想像するかもしれないが、その実態は中国東北地方の野菜まんじゅうに由来したおからのコロッケである。

ゼリーフライ(ウィキペディアクリエイティブ・コモンズ)

 これがなぜゼリーフライといわれるようになったのか。それは形状に由来するという説が有力だ。まるで小判のような姿から「銭フライ」といわれるようになり、これが訛りによってゼリーフライといわれるようになったといわれている。

 行田市には「フライ」というB級グルメもある。こちらはフライという名でありながら、揚げてはいない。水で溶いた小麦粉に野菜や肉などを具を混ぜて焼くという、薄いお好み焼きのような食べ物だ。ゼリーが入っていないゼリーフライに、揚げないフライ……名前だけではどのようなものか想像できないかもしれないが、昔から庶民に愛された素朴な味わいが特徴で、まさにご当地ならではのB級グルメといえるだろう。

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