絶対に差別はいけない

 

 Jリーグ2節のサガン鳥栖戦で、ホーム開幕戦を迎えた。

 試合は、前半9分にワンチャンスをモノにされて、そのまま0-1で逃げ切られてしまった。シュート数はレッズの17本に対して鳥栖は3本。最後まで鳥栖の牙城を切り崩すことができなかった…。2連勝してスタートダッシュをかけたかっただけに残念な結果になってしまった。

 また、この試合は負けた以上に悔しい、いや悲しい出来事があった。差別的な横断幕が掲出されたということである。差別的な言動、行為は絶対にしてはいけないことだ。それは、日本国内はもちろん世界中のどこでも同じ。

 これからも僕たち選手たちがやるべきことはひとつ。ピッチの上で一生懸命に戦うだけ! サポーター、クラブ、選手が“三位一体”となって手を取り合いながら、信頼回復に向けて前進していけたらと願っている。

 

「つなぐ系」のボランチへ

 

 ボランチか、トップ下か――。僕の適正ポジションはどちらか? チーム事情によってふたつのポジションを行き来しているけれど、今シーズンに関して言えば、僕は「ボランチ」というポジションで主にプレーしている。幼い頃から慣れ親しんでいたのは「トップ下」だったから、このポジションへのこだわりは持っているけれど、日本代表を狙うことを考えると、やっぱりボランチのほうがいいのかなと、個人的には感じている。もっと上を目指すには、ボランチというポジションを極めたいという気持ちが強くなっている。

 ボランチには大きく分けて、ふたつのタイプがあると思う。「つなぐ系」と「つぶす系」。僕は間違いなく前者の「つなぐ系」。僕のプレースタイルは、「パス」と「テクニック」が基本だから、まさにガンバ大阪のヤット(遠藤保仁)さんや、川崎フロンターレのケンゴ(中村憲剛)さんの系譜。

 だから、いつかは彼らのようになれたらいいなと願っているし、実際に他のゲームを観ていても、やっぱりふたりがどんなプレーをしているのかなって気になってしまう。やっぱりずっと長く第一線で活躍している人たちだから、いろんな点で学ぶべきところが本当に多い。

  

ボランチを極めた先に

 

 そんな憧れのヤットさんやケンゴさんのようになるためには、やっぱり攻撃だけではダメで、守備もしっかりできるようにならないといけない。それはボランチに限らず、どこのポジションでも言えることだけど、現代サッカーはすごくスピーディーだから、攻守がめまぐるしく変わるからね。

 そうしたなかで、僕が生き残っていくためには、いつかはヤットさんのようにボランチを極めたいけれど、いまのヤットさんと比べると、まだまだ僕なんて足もとにも及ばない。

 34歳になったのにいまだ運動量も多いし、冷静に先を見据えながらプレーしているから、いつもチームに落ち着きを与えている。ヤットさんがトラップミスしたり、パスミスしたりする姿はほとんど観たことがないから。

 ヤットさんへの道を歩むべく、まずは今年、ミシャ(ペトロヴィッチ監督の愛称)から託されたボランチというポジションでしっかりレッズで結果を残して、いつかまた日の丸を着けてプレーしたい。そしてヤットさんのようなプレーができたら…というのが僕の理想としているシナリオ。

 

フリックこそ僕の代名詞

 

 とはいえ、僕がヤットさんのコピーになるなんて不可能な話。いままで歩んできた道だって違うし、こだわりだって違うと思うから。「柏木陽介」というオリジナルのスタイルを目指していかないと、と思っている。

 僕が理想としているボランチ像は、簡単に言えば、トップ下とボランチを掛け合わせたスタイル。運動量はもちろん、アイデアも必要だ。ヤットさんのように完璧な“ボールさばき”ができて、それに加えて“フリック”の使い手としてゴールチャンスを作れるプレーヤーになること。

 フリックとは、英語で「はじく」という意味。向かってきたボールをダイレクトで後方に流すプレーのことだけど、自分で言うのもあれだが、僕以上にこのプレーを一番使いこなせている選手はいないと思っている(笑)。

 フリックこそ僕の代名詞でもあるから。カウンターを受けるのが怖いから、自陣の位置ではさすがにフリックは使えないけれど、ゴールに近ければどんどんフリックで勝負していきたい。

 ボールをさばきながら様子を見て前進し、自分もゴールに近づいてきたら、あえてDFに“背中”を見せてフリックで“裏”を突いていく。

フリックを使いこなす新たなボランチ像を確立!> 

 2014年の未来日記に、この目標を太字で大きく書き込んだところでまた2週間後!

 

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