世間ではよく、「ひとりっ子はわがままに育つ」と言われますよね。果たしてこれは本当なのでしょうか? はたまたただの迷信なのでしょうか? 精神科医のゆうきゆう先生にお聞きしました!

 

子どもの性格形成には環境が大きく影響する

両親の愛情を独占できるひとりっ子は「わがまま」になりがち、とよくいわれます。しかし、子どもの性格は百人百様、一人ひとり違います。

性格は、その子が生まれつきもっている「気質」と、生まれたあとの「環境」によってつくられます。遺伝的要素の多い「気質」は簡単に変わるものではありませんが、「環境」はさまざまです。生活環境はもちろん、周囲の人との関わり方、個人的体験のほか、時代や社会の空気なども影響します。

たとえばきょうだい構成も、子どもの性格形成に関わる大きな要因のひとつです。一般的に「長子は責任感が強くまじめで保守的」「末っ子は要領がよく社交的で甘えん坊」「中間子は協調性があり勝ち気で独立心が旺盛」などといわれるのも、子どもの生まれた順番によって、親の接し方やきょうだいとの関わり方が変わってくるためです。長子の場合、「お兄ちゃんだから」「お姉ちゃんだから」という理由でがまんしなければならない場面が多かったり、下の子の面倒を見たりといったことから、責任感が強くまじめに育ちやすいようです。

ひとりっ子の場合も、どのような性格になるかは、親の育て方をはじめ、環境によるところが大きいでしょう。親がとことん甘やかせば、わがままに育つかもしれませんが、同年代の子どもと接することが少なく、大人どうしのコミュニケーションばかりを見て育つと、あまり自己主張をせず、周囲の空気を読むような子になりやすいともいわれます。早くから「本音と建前」のような大人のルールで物事を判断していくことに慣れて、大人びた態度をとる子になることも少なくありません。

 

その一方で、きょうだいというライバルがおらず、競争に慣れていないため、「人を押しのけてでも」というような強い闘争心は見られないこともあるでしょう。物に対する執着もあまりなく、なんでも人に譲ってしまうお人好しだ ったり、争いやもめごとが嫌いな平和主義者の一面が見られたりすることも。
「ひとりっ子だから」「末っ子だから」と根拠もなく決めつけるのは、あまり意味がありません。親としては、まず子どもの個性を尊重してあげることが一番大切なのではないでしょうか。