小さい男の子って、よく好きな女の子にいじわるしてしまいますよね。でもよく考えてみると、相手に嫌われてしまうかもしれないのにちょっかいを出すのって、なかなか不思議な行動だと思いませんか? そんな子どもゴコロの謎について、精神科医のゆうきゆう先生が解説してくれました!


◆男の子のいじわるは好きな気持ちの裏返し

 

 好きな女の子をからかったり、いじわるしたりするのは、男の子によくある行動です。なぜ、わざわざ女の子が嫌がるようなことをするのでしょう。

 心理学では、人から人への行為を「ストローク」といいます。たとえば、「ほめる」「ほほえむ」といった、相手の気持ちをポジティブにさせる言動はプラスのストロークとよばれ、反対に、「叱る」「たたく」などのネガティブな言
動はマイナスのストロークとよばれます。

 ストロークは「心の栄養」。まわりから何らかのはたらきかけがあるということは、自分の存在や価値を認めてもらっていることにほかなりません。だから、人はみんな心のどこかでストロークを求めて生きています。もちろん、誰だってほしいのはプラスのストロークでしょう。
 しかし、プラスのストロークが得られなかったり、そもそもストロークが不足していたりすると、人はマイナスのストロークでもいいからほしいと思うようになります。ふつうは「マイナスのストロークなら、ない方がまし」と思うところですが、社会的動物である人間にとって、ストロークを得られない=孤独や無視、存在価値を認められないことほどつらいことはありません。
 よく、「好き」の反対は「嫌い」ではなく「無関心」といわれるように、自分に関心をもってもらえず、何のストロークもないのは何よりつらいのです。それよりは、たとえネガティブな反応でもいいから自分の方を見てほしい、自分を認めてほしいと思うのです。
 

◆かまってくれないくらいなら、嫌われた方がマシ

 男の子が、気になる子にちょっかいを出すのはこうした心理が関係しています。本当は、好きな子に自分を好いてもらいたいのですが、子どもにはその方法がわからず、自分の気持ちをもてあましてしまいます。そして、相手に自分の存在をアピールするためにも、嫌がられたり、嫌われたりというマイナスのストロークでもいいから、求めてしまうのです。このほか、反抗期の子どもが親の関心をかうために非行に走ったりするのも、同じ理論で説明できます。

 一方、女の子にこうした行動があまり見られないのは、遺伝的・文化的な男女の違いから、女の子の場合は好きな子に積極的に関わっていくより、どちらかというと好きな子を避けたりする傾向が強いからだといわれています。