コロナウイルスの影響や老後のことを考えて投資に興味を持つ方が増えています。
『投資』や『投機』という言葉は一度でも耳にしたことがあるかと思います。
しかし、投資と投機の意味と違いを正しく理解されているでしょうか?
この違いをしっかりと理解しておかないと、“投資・投機はギャンブル”“投資・投機は危険”といった固定観念にとらわれたままです。
この記事では、
- 投資と投機の違い
- 投資のメリット・デメリット
- 投機のメリット・デメリット
- 投資と投機でお金が貯まらないのはこんな人
について解説していきます。
今後資産運用をしていく方、資産運用を検討している方は知っておいて損はありませんので、これを機にしっかり理解を深めておきましょう。
投資と投機の違い
投資と投機の違いについて、はっきりと説明できる方は少ないかと思います。
実は、明確な線引きがされておらず、どちらも資産を増やす意味で使われることが多いです。
しかし、資産の増やし方や目的によって使い分けられているため、その違いや目的を詳しく見ていきましょう。
投資とは
投資とは、将来性に期待して購入し長期間保有して利益を得ることを目的としています。
株式や不動産など、今は購入した金額だけ負債になってしまいますが、今後の成長や価値の上昇を期待して、将来的に利益を得ることを一般的に『投資』と位置づけています。
投資のメリット①安定した利益を狙える
投資はその可能性や将来性に資金を投じるため、うまく成長すれば長期間にわたり安定した利益が望めます。
株式などは、その企業が成長し続ける限り、配当や優待といった恩恵を受けることができますし、不動産であれば、保有するだけで毎月家賃収入などが得られます。
うまくいけば不労所得も狙えるのが投資です。
投資のメリット②複利運用で大きな利益を得られる
複利運用とは、投資で得た利息をさらに資金として投資に回し、軍資金をどんどん増やしていく方法です。
これにより毎年の資金は比例して増えていき、利益が増えるペースも加速度的に増えていきます。
しっかりと利息を得ることができれば、最初の元本は小資金でも大きな利益を得ることができます。
投資のメリット③リスクを分散できる
投資は小資金で始めることができます。
これにより、複数に投資をすることで思わぬ損失を招いた際にも最小限の損失で済ませることができます。
また、複数保有することで他の利益で損失をカバーすることができるので、ローリスクで運用することができます。
投資のデメリット①時間がかかる
投資は将来性に期待して資金を投じるため、成長して利益が発生するまでに時間がかかります。
最初から価値が急上昇して1年目から利益が発生するのは非常に稀であり、最初の利益を得るまでに数年、数十年かかるといったケースも珍しくありません。
投資のデメリット②予測をするのが難しい
将来性に投資すると前述しましたが、どの株や商品の価値が上昇するのかを見極めるのは非常に難しいです。
必ずうまくいくという保証はなく、価値が下落してマイナスになってしまったり、なくなって元本がそのまま消えてしまったり、ということも起こり得ます。
しっかり情報を仕入れて見極める目を養ったり、小資金で始めてできるだけリスクを減らしましょう。
投機とは
投機とは、投資とは逆に短期的な売買や、瞬間的な値上がりを狙って資金を投じるものを指します。
FXのスキャルピングやデイトレードがこちらに該当します。
瞬間的に大きな利益を得ることができますが、その場その場の判断力が求められます。
投機のメリット①短時間で利益を上げることができる
投機の一番のメリットは、そのスピード感でしょう。
瞬間瞬間の上昇・下落を狙って売買をしていくため、的確に捉えることができれば、短時間でも大きな利益を得ることができます。
投機のメリット②短時間の市場や相場は比較的読みやすい
投機は短期間での売買を繰り返して利益を上げる方法です。
市場や相場は、ある程度は一定のルールのもとに動いているため、短時間であれば方向性は読みやすくなります。
無理なく回数をこなし、コツコツと利益を積み重ねるのが得意な方には向いているでしょう。
投機のメリット③小資金で始めることができる
投機は瞬間的な利益を狙って回数をこなすため、うまくいけば小資金から始めても、あっという間に増えていきます。
もし損失を被っても一度あたりの損失は小資金で済むため、比較的リスクも低いといえます。
投機のデメリット①準備に時間がかかる
投機は利益が出るまでの期間は短いですが、それまでに入念な準備が必要になります。
市場や株価を常にチェックしたり、いろいろな情報を仕入れたりと、意外とやることは多く、掛けた時間に対しての利益は思ったより低かったというケースも多々あります。
投機のデメリット②ストレスがかかることがある
頻繁に市場や相場をチェックしていると、予想以上に高騰したり、急な暴落に見舞われることがあります。
嫌でも視界に入ってしまうために、喜んだり精神的に参ったりと感情の起伏が激しくなってしまいます。
ストレスでリタイアしてしまう方もいらっしゃるため注意が必要です。
投機のデメリット③レバレッジをかけることでハイリスクになる可能性がある
レバレッジとは、てこの原理の意味があります。
必要な証拠金を預けることで、小資金でも大きな取引ができます。
勝ったときはハイリターンが期待できますが、それは同時にハイリスクの危険も持ち合わせています。
手っ取り早く小資金で大金を稼ぎたいと、レバレッジをかけ過ぎた結果、元本を全て失ってしまった、という事態になりかねませんので、リスク管理は必須です。
投資 | 投機 | |
目的 | 安定した長期的な利益を目指す | 短期的な大きな利益を目指す |
保有期間 | 長い | 短い |
利益が出る速さ | 時間がかかる | 早い |
利益 | 大きい | 小さい |
リスク | 低い | 高い |
最大の違いはその目的にあります。
利益の出る速さ、保有期間の短さから、短期的な利益を得たい人がおこなうのが『投機』
長期的な視野で出来るだけリスクを抑えながら安定した利益を目指すのが『投資』と認識しておきましょう。
将来的な資産形成をするのであれば、ギャンブル的な側面がある投機ではなく、安定した資産運用を目指せる投資を取り組みましょう。
投資と投機でお金が貯まらないのはこんな人
投資と投機の違い、そしてそれぞれのメリットとデメリットについて記述しました。
ここからは、投資・投機でお金が貯まらない・増えない人の特徴を見ていきましょう。
自分に当てはまっているかもと考える人は、資産運用を始める際は考え方を改める必要があるかもしれません。
お金が貯まらない人の特徴①長期的なイメージが出来ていない
投資は目先の利益ではなく、将来的な資産運用をするものです。
何年後にいくら必要で、そのためにいくらずつ増やしていくのか、そのためには元手がいくら必要なのか、そういった長期的なイメージが出来ていない方は、行き当たりばったりになってしまい、資金は増えないでしょう。
お金が貯まらない人の特徴②感情的になりがちな人
投資はギャンブルではありません。
長期的な資産運用です。
長く保有したり、売買の回数を重ねていくと上手くいく時もあれば、調子が悪い時もあります。
途中まで順調だったのに、突然相場が荒れて一気に損失に転落した、なんてこともしょっちゅうです。
これに感情的になってしまうと冷静な判断ができなくなってしまい、無茶な取引をしたり、ミスをしたりしてしまいます。
大切な資金を守るためにも、常に冷静沈着でいなければなりません。
お金が貯まらない人の特徴③勉強をしない人
こちらは当たり前の話ですが、投資の世界はそんなに甘くありません。
一朝一夕でいきなり大金を稼いだり、ずっと資産を増やし続けることはできません。
常に変わり続ける世界情勢や市場のこと、今流行しているものやテクノロジーの進化など、様々な情報を仕入れて日夜勉強に励まなければなりません。
投資と投機では目的が違う
ここまで投資と投機についてよく知らない方のために解説をしてきました。
- 投資と投機では目的が違う
- 投資は長期的な資産運用
- 投機は短期的に資金を増やす
- お金が貯まらない人は投資と投機の違いや目的を理解できてない人
特に、短期的に資金を増やせるという意味で、よくギャンブルと混同されがちです。
しかし、その場でたまたま運よく稼げたギャンブルと、しっかり計画を立てて無理なく運用する資産運用は全くの別物ですので、正確に把握しておきましょう。